【消費者金融 チキンレース】
1つのデータを提示します。
消費者金融大手3社(アコム/プロミス/アイフル)のIR情報から入手した、過去15年間の融資実行残高の推移です。
各年度末に各社が「今、いくら貸してますよ」というデータです。
消費者金融1

出典:各社IRデータ






ちょっと面白いのは、これ、チキンレースの様相を呈しているところなんです。

(アコム君)
消費者金融2
 
98年から見ると、アコム君、5年間トップを独走しております。
業界で初めて「無人機」というものを発明したのもアコム君なんだそうです。
しかし、社長は「業界発展のために特許は取らない」という美談(?)が残されているそうです。
アコムの貸出残高は、98年から02年にかけては他2社と同様に増加の一途を辿っております。
この5年間の年平均成長率は12.1%です。





(プロミス君)
消費者金融3
今は、SMBCコンシューマーファイナンスっていいます。
2番手からスタートしたプロミス君。1位のアコム君の後塵を拝しております。
98年からアコム/アイフルとともに強烈な伸び率で貸出残高を積み伸ばしております。
この5年間の年平均成長率は15.5%です。
01年、3番手にいたアイフル君が、後方から早い足で追いあげて参りました。その差2馬身から3馬身か。
01年はなんとか鼻の差でかわすも、02年には抜かれしまいます。
その後は、残高をキープしているため、アイフル君にはどんどん離されてしまいます。
万年2位のプロミス君、悔しい、悔しい、、、
2位じゃダメなんですか?ダメなんです!1位になってみたいんです。
08年、三洋信販㈱という会社をTOBで買収!
取りたかった!念願の1位を取ってみた。債権残高1.7兆円!





(アイフル君)
消費者金融4
98年は3番手からスタートしたアイフル君
どんどこ掛け金を釣り上げて参ります。
他2社が貸出残高を減少させたり、迷ったりしている中でもばく進を続け、怒涛の快進撃!
そして、04年には念願の業界1位の座を取得!やっぱり彼も1位になってみたかった。。。
まさに一点の迷いもなく06年には前人未到の貸付金額2.2兆円に達する!





グラフって面白いですよね。息遣いが聞こえてくるような、、、
会社でノルマ達成のために頑張っている人がいるんでしょう。
「1位だ!1位を目指せ!」みたいな声が聞こえてきます。






【消費者金融 PL推移】
財務面からちょっと見てみます。
消費者金融5
見てください、この状況!!
03年から05年には、軒並み4,000億を軽く超える売り上げを上げ、
アイフルに至っては5,000億を超える売上にまで達しています。
しかも、営業利益率20%,30%は当たり前(しかもこの売上規模だからすさまじい)!
純利益が営業利益のだいたい半分ってことは、そんなに特別損益がなく、税金でしょう。
凄いんです。おいしいんです。
2%程度で銀行とかから借り入れ、20%で貸し付ける!そりゃ儲かりますと・・・



この景気の良い明るいレース、、、
しかし、そして、業界の状況は激変しました。